ご無沙汰してます、会長の竹中です。
今回は、若葉会会員のN君が王将戦観戦のために栃木まで行ってしまったそうなので、せっかくだからと書いてもらった観戦記を掲載します。
と書いていたら、渡辺竜王が奪取を決めました…
文章は1週間前に貰っていたのですが…仕事が遅くてすみません(泣)
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王将戦第四局を現地観戦してきました。 大盤解説会に行くのは今回が初めてです。 タイトル戦の雰囲気がどんな感じなのか以前から興味があったので 、友人と二人で向かいました。
対局場のホテル花月までは、 自宅から車で三時間半くらいかかりました。 いろいろあってだいぶ疲れたため、 なかなか指し手が進まなかった午前中は睡魔との戦いもありました が、昼食休憩をはさんで局面が中盤戦に突入した頃には目も覚め、 枝葉の変化まで詳しくわかりやすい解説を聞いていると時間が経つ のがあっという間に感じました。
解説の阿久津七段によると、 佐藤王将と渡辺竜王はトッププロの中でも珍しいくらいに読みが合 わない二人だそうです。 まあ初心者同然の私でもそれはなんとなくわかる気がします(笑)
「次の一手」は84手目△ 5七歩に対する応手が出題されましたが、 ここでの形勢は会場ではなんとなく先手持ちが多そうでした。 もし75手目▲5六角から一直線に攻め合うと、 先手が勝つとの解説があったからでしょうか(本譜のように曲線的 に進めればまだ互角ですが)。実はこの▲5六角は、 木村八段が大盤解説にて一蹴した手だったのですが、 調べてみると好手だったようです。 阿久津七段も解説ではいかに後手が粘るかを考えていて、 先手持ちだったのではないかと思います。
しかしその後シンプルに進んで91手目▲ 6四桂と跳ねたところでは、形勢不明になっていました。 後手からは常に△5九銀があり、 また馬が自陣に効いていて後手玉は意外と耐えているとのこと。△ 7六桂の筋もあります。 そこからの数手の間に大盤ではさまざまな変化が試されていました が、やはり結論は出ませんでした。
面白かったのが93手目▲2二飛について、阿久津七段が「 道場で子供たちがこの手を指したらちょっとケチをつけたくなる手 (うろ覚えです)」と述べていたことです。というのも、 飛車は強力な駒なのでできるだけ形を決めたくない。 だからこの手は「他に手があるのでは?」 と言いたくなる手らしいです。もちろん、 渡辺竜王の指し手に文句をつけているわけではないです(笑)
さて、本局のハイライトは97手目▲5七金でしょう。 この手は棋譜中継のコメントでは有力視されていたようですが、 大盤解説では全く触れられていなかったため、心底驚きました。 この時佐藤王将の残り時間は2分と厳しく、△5二歩▲ 4七金と進んで馬を取り切り、 急に先手の渡辺竜王が勝ちになりました。
終局後、 両対局者ともに精根尽き果てた様子でインタビューを受けていまし たが、 その後すぐに大盤解説場に降りてきて簡単に感想戦をしてください ました。佐藤王将は92手目△ 6二金で他に手があったのではないかと悔やんでいましたが、 やはり△5九銀で難しかったようです。また渡辺竜王は97手目▲ 5七金を勝負手のつもりだったと述べていましたが、△ 6八銀成とされてどうかと思っていたようです(実際そちらの方が アヤがあったようですね)。
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